同じ「雪」でも

長野県は面白いところです。
冬はほぼ全域で雪が降りますが、エリアによりその雪の量と質が全然違います。

まずは小谷。
日本海に近い(50km)ため、日本海側気候で、北陸とよく似た感じの雪が降ります。
日本海の湿気を含んだやや重たい雪。量も多い。かまくらとか作れる雪ね。
積雪は身の丈を軽く超え、山に入れば3~5メートルにもなるところも。
新潟県境エリアの長野市北部、飯山、野沢温泉、栄村などは小谷とよく似た雪の感じになります。
そしてこの雪が私の大好きなぶな林を育んでくれるのよね♪

同じ県北部でも、志賀高原方面に行くとちょっと違います。
雪の量はしっかりあるけど、雪質はパウダー。雪合戦できないよーってやつ。標高が高い(1500~2000m)こと、内陸性気候で低温乾燥だからでしょう。ふわっふわの雪はそりゃー素晴らしいのですが、道路の凍結がめちゃ怖い。あの道路は、雪が降る土地の道路の作りじゃないよぉ。ぎゃーっと下ってぎゅっとカーブ苦笑。

さて私の住む県中部、松本辺り。
雪は少なく、冷え込みます。内陸性気候かな。
日本海で水蒸気を拾い上げた雲は、中部山岳の峰々にぶつかって雪として水蒸気を落とし、松本平の上は乾いた風が吹く。そのため、冬でもよく青空が広がり、雪を被った北アルプスがそれはそれは美しい♪
またここは、北の冬型の気圧配置の雪(日本海側の雪)と南の南岸低気圧の雪(太平洋側の雪)の両方の影響を受けます。北の雪の影響はあまり多くなく、ドカ雪となるのは南の雪の時です。

諏訪や茅野も街中は同じだと思う。

八ヶ岳方面は内陸気候(というか中央高地式気候って言うみたい)となり、積雪量少な目、乾いた雪です。私はこの雪と冷え込みが一番好きかな。
冬に一人で雪山に行くならば、身の丈を越える積雪にならないこちら方面が無難。
(雪にはまっても脱出できるからね)

軽井沢なんかも八ヶ岳方面と似てると思う。

同じ中部でも、西に行った乗鞍エリアは、積雪多し、標高高いため雪質よし。岐阜県境にあるため、湿った空気の影響を受けています。

木曽路は山の中なので積雪量やや多め。開田高原などは凍結厳しく、やや湿った雪な感じなのは乗鞍と同じく岐阜県側からくる雲の影響かな。御嶽岳の周囲が開けているので、風が運んでくるんだと思う。

県内どこも同じく山に囲まれたところなのですが、こうやって考えてみると、雪の量や質には、気候に加えて地形も大きく影響していますね。いろいろ違っていて面白い~。
こういった気候の違いがそれぞれの暮らしや文化を生み出していて、それもまた面白いです。

今日はスノーシューでふかふか雪を踏みたいな~と思ったら北部へ出かけ、
今日はアイゼンでがっつりでしょ、と思えば中部山岳エリアへと出かける。
気分に応じて行先を選べて、これってかなりぜいたくですな♪
標高と緯度を組み合わせて考えるあたり、紅葉の楽しみ方に似ています。
以上、あちこちほっつきまわるのが大好きな私から見た長野県の雪の面白さ、でした。