冬の森を歩く。
夏は青々と葉が生い茂る落葉樹、冬は名の通り葉が落ちて樹形がとてもよくわかる。
立ち止まり、じっくりと樹形を眺めてみる。
太陽の光を求めて、思い思いさまざまに枝を伸ばす木々。
自然樹形(剪定していない)はどれも本当に美しい。
同じ種類の木でも、私達と同じように、ひとつひとつ形が表現が違う。
ああ、この木は隣の木と譲り合って、こちらに枝を伸ばすことにしたのだな。
ああ、この木はこちらに大きく枝を張るために、反対側の根元を太くしたのだな。
時間をかけて観察すると、木々の戦略がわかる。
私達人間とは違い、動かない、動けない木。
与えられた環境の中で、じっくりと時間をかけて、精一杯その目的を達成していく。
その姿からは、時に忍耐づよく生きるということを教わる気がする。
束の間でも向かい合うと、何だか心地よい時間が流れる。
冬の木々が語ることにしばし耳を傾けてみませんか?