ずっと観たいと思っていた、いくつかの京都の離宮を見る機会に恵まれた。
7月下旬だし、連日の猛暑続き、果たして京都の暑さに耐えられるのか?秋の方がいいんじゃない??とかいろいろ思ったのだけど、やはり行ける時に行っておかないと、ということで、覚悟して出かけて行った。
神社や日本庭園といった場所が好きなのだけれど、それは里にある「自然が凝縮された場所」だから。神社はより自然な形で、日本庭園はより意匠的に、自然の要素が表現されている。
そして、そこで過ごす時間は、山の中のそれと同じで、とても落ち着くし、心地いい。
暑い暑い1日、離宮の庭園を廻りながら、、、
目に入るのは、青もみじの瑞々しい緑、よく手入れされ整った庭。
聞こえてくるのは、暑さをやわらげてくれる心地よい水音。
暑いがゆえにより心地よい、肌に感じる風や木陰の涼しさ。
そう。それはまさに五感を使った森林セラピー@日本庭園(笑)。
庭園に点在する休憩所や茶室などの建物は、簡素な造りでこじんまりと整っているがゆえに、見た目にも涼しさを感じる。
ここは月を見るため、ここは風景を楽しむため、ここは舟遊びをするため、、、
他にあまり娯楽がなかったからかもしれないけれど、昔の人は、時に日がな一日自然を眺めて、その中に「いとをかし(とても趣が深い)」を見出し、感じた。
美しさや心地よさを意図的に見つけ出し、感じる、愛でる・・・
ああ日本人って、昔から森林セラピーやってたんだわ。しかもハイレベルなの。
それは生活に余裕のある人々に限られたことだったかもしれない。けれど、現代の生活はずいぶんと味気なくなったものだと思った。
もっと人々の日々の生活に当たり前にこういう空間や時間があって、私たち日本人が培ってきた美意識や感性を楽しむ機会が増えたらいいな~と思います。