長野県にも甚大な被害をもたらした台風19号。
けれど最近こんなニュースを読んだ。
滋賀県の琵琶湖には「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれる現象がある。
「琵琶湖の深呼吸」は、正しくは「全層循環」で、全層循環は冬場の冷え込みで酸素を多く含む上層の水が比重を増し、下層の水と混ざり合う現象。全層循環が完了するのは平年なら1月か2月で、遅いと3月ごろ、だそう。
(この「琵琶湖の深呼吸」を初めて知った時、私は自然の素晴らしさに感動して心が震えたよ)
ところが今年、1979年の観測開始以来初めて全層循環が確認できなかったそうで、琵琶湖は酸欠状態にあり、生態系への影響が懸念されていた。
そして今回、台風19号のもたらした強い風がその深呼吸を促した、と。琵琶湖は一時的に酸欠状態から脱しているそう。
また数年前、沖縄のサンゴがかなりの広範囲で死んでしまったのだけれど、それは台風が来なくて海水がかきまわされずに水温が上昇してしまったことが原因だったと石垣島の島人に聞いた。
台風。
一方では、人の世界に災害をもたらす脅威の存在。
一方では、人も含めた自然にとって必要不可欠な循環をもたらす存在。
もちろん災害は起こらない方がいい。
でも、台風の、脅威であり恵みでもある、その両面を知っておく必要があると思った。
どうすれば上手に自然とともに在れるだろうか。